ストーリー:
横浜に住む未亡人の主人公が、夫の形見の高倍率双眼鏡で日々のバード・ウォッチングの中に、丹沢山塊の風力発電のプロペラが1本なくなっていることを、レンズを通して発見する。
しかも風車の下に瀕死の重傷を負った一人の男が倒れている。
その主人公のおばさんと隣家の報道カメラマンの真相究明が始まるのである。

流石に技術者である著者だけあって、主人公はおばさんなのであるが、隣家のカメラマンや造船技術者であったカメラマンの父や、元航空会社の技術者などの登場で技術的なところは確実に押さえた内容になっている。
カメラマンの勤め先の写真も載っていて、私も十年ほど前こまめに日参したところでもあるし、プロペラのピッチ角・ヨー・コントロール・フェザリングなどの説明も実に分かり易いのである。
ストーリーは、ミステリーなんだけど、会話の端々に分かり易く風力発電のいろはを紹介しつつ、読者をぐんぐん引っ張りこんでくれる作品であった。
▲ by Koppe3T | 2010-12-24 17:33 | 日常 | Comments(0)